まずは気になる情報から
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・令和6年の出入国在留管理業務の状況
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入管庁ホームページより
令和6年の出入国在留管理業務の状況としてデータが公表されています。
https://www.moj.go.jp/isa/content/001435886.pdf
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・第二世代在留カード等仕様書(一般公開用)の概要について
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入管庁ホームページより
第二世代在留カード等仕様書(一般公開用)の概要についてとして情報が公表されています。
https://www.moj.go.jp/isa/publications/resources/120424_01_00003.html
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・(千葉県)使用料及び手数料条例の一部を改正する条例
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千葉県報 令和7年3月7日 号外第18号にて
使用料及び手数料条例の一部を改正する条例が公布されています。
https://www.pref.chiba.lg.jp/seihou/kenpou/documents/r070307-gai18.pdf
主に運転免許関係ですが、建築士事務所登録手数料も改正されます。
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・人事労務マガジン/特集第231号
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人事労務マガジン/特集第231号にて
・ 4 月から改正育児・介護休業法が施行されます
・ 4 月から改正次世代育成支援対策推進法が施行されます
等の情報が掲載れています。
https://www.mhlw.go.jp/content/12600000/001449648.pdf
行政書士業務の中に「市民法務」業務という分野があります。
これは、市民生活の中で起こりうる法律事務に関係する業務に関するもののうち、「権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成」という、行政書士法第1条の2第1項後段に該当する業務です。
また、同法第1条の3第1項3号(前条の規定により行政書士が作成することができる契約その他に関する書類を代理人として作成)及び4号(前条の規定により行政書士が作成することができる書類の作成について相談に応ずる)も市民法務業務に含まれます。
その中で、私も最初理解に苦しんだ行政書士法第1条の3第1項3号について少し記載したいと思います。
同号は上記のとおり「前条の規定により行政書士が作成することができる契約その他に関する書類を代理人として作成すること。」と定められています。
では、その条文を分解して読み解いていきましょう。
①「前条の規定により」
これは、文字通り前条ですので「行政書士法第1条の2」を指します。
②「行政書士が作成することができる」
これも、文字通り「行政書士が作成することができる」ですので、逆に言えば、行政書士が作成してはいけないものは含まれないということです。
つまり、「業際」を意味します。
もう少し分かりやすく言うと、弁護士、司法書士、税理士、弁理士、社労士などが独占的に作成する物は含まれないと言う事です。
③「契約その他に関する書類」
これは、最初の「前条の規定により」と繋がっています。
前条(行政書士法第1条の2)では、「官公署に提出する」「権利義務」「事実証明」に関する書類を定めています。
そして、「契約その他」に該当するものは「権利義務」「事実証明」に関するものと言う事になります。
④「代理人として作成すること」
ここの部分がなかなか悩ましい表現です。
なぜなら、一歩間違うと(誤解すると)弁護士法72条(非弁)違反になってしまうからです。
「権利義務」に関する書類といえば、いわゆる「契約書」です。
では、行政書士は、契約書に関係してどこまで代理ができるのか?
A:契約書の案を作成するところまで?
B:契約書の作成まで?
C:契約締結まで?
さぁ、代理人として作成とはどこまでを指すのでしょう?
権利義務に関する書類の作成ができるわけですから、まぁAは問題なくできることは判断がつきますよね。
では、Bはどうでしょう?
これも、その契約書に最終的に契約当事者が署名や記名押印を行うような最終的な契約書であっても、問題なく作成できそうです。
ただし、あくまで契約当事者の意思に基づいたものを作成する必要がありますので、ヒアリングはしっかり行いましょう。
そして最後の「契約締結」はどうでしょう?
ちょっとイメージしにくいと思いますので、分かりやすく例を挙げると、契約書の当事者記入欄に「〇〇代理人行政書士△△」と記載して契約の締結(契約書作成)ができるのか?という事です。
市民法務業務をやっている(やろうとしている)行政書士は「代理人」という言葉に惹かれるところがあります。
ですから、行政書士法を読み誤り、契約締結代理を「契約その他に関する書類を代理人として作成」と誤認してしまう可能性があります。
ですが、契約は契約締結の意思(意思表示)です。
そして、意思の代理は「法律行為」です。
つまり、それを業として行えるのは原則「弁護士」のみで、行政書士には認められません。
ですので、契約書に「〇〇代理人行政書士△△」と書くような行為は、行政書士には認められません。
少し話が逸れますが、これは良く勘違いしている、特に新人行政書士がいますが、「内容証明郵便の作成」も同様です。
内容証明郵便の作成業務は、あくまで「代行業務」です。
内容証明郵便の文章を作成し、最後に「作成代理」と書くのはNGです。
なぜなら、内容証明郵便の内容は意思表示そのものだからです。
ですので、発送や投函行為について、弁護士会からそれは行政書士はできないと言われています。
業務内容は代行ですので、記載するのであれば「作成代行 行政書士 〇〇」という記載になります。
そして、内容証明郵便に、行政書士の連絡先を記載する人もいますが(それ自体はダメではありませんが)、あまりお勧めはしません。
なぜなら、連絡先を記載すると、内容証明郵便を受け取った人は、行政書士に連絡をしてくる可能性があるからです。(多くの市民は、代理と代行の違いは分かりません。)
それの何が問題なの?と思った方は要注意です。
内容証明を受け取った人が連絡してくると言う事は、何らかの意思表示をしてくると言う事です。
その意思表示内容を、差出人(依頼主)に単に伝える使者として割り切って対応できるなら良いですが、その作業は事実上タダ働きになります。
なぜなら、内容証明郵便の文章を作成するのが業務であって、使者の業務は受けていないからです。
さらに、内容証明を受け取った人の意思表示に対して、依頼人に代わって何らかの返事をしてしまったら、その時点で弁護士法72条違反になります。
ですので、タダ働きのリスク、弁護士法違反のリスクを考えたら、内容証明郵便には、行政書士事務所の連絡先は記載しない方が賢明です。
このように、市民法務業務は何となく弁護士業務に近い部分があり、憧れる部分もありますが、行政書士法その他の法律をしっかりと理解しないで業務を行うと、(登録)資格を失いかねない事態になりますので十分注意してください。