出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律等の改正案

まずは気になる情報から

■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
・ 「外国人技能実習適正実施マニュアル」を改訂しました
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
 外国人技能実習機構ホームページより
 「外国人技能実習適正実施マニュアル」を改訂しました。
 として情報(マニュアル)が公表されています。

https://www.otit.go.jp/files/user/240516-100.pdf

■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
・不法就労等外国人対策の推進について
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
 入管庁ホームページより
 不法就労等外国人対策の推進について
 として情報が公開されています。

https://www.moj.go.jp/isa/deportation/resources/09_00009.html

■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
・「道路交通法施行規則及び警備業法施行規則の一部を改正する内閣府令案」等に対する意見の募集について
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
 「道路交通法施行規則及び警備業法施行規則の一部を改正する内閣府令案」等に対するパブリックコメントが実施されています。
 実施期間
 2024年5月17日から同6月15日

https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=120240014&Mode=0

 ※ 表題は「道路交通法施行規則及び警備業法施行規則」とされていますが、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律も関係しています。
   1営業者で2以上の営業所がある場合の管理者に関する変更届についても含まれています。

■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
・雇用保険法等の一部を改正する法律
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
 官報 令和6年5月17日(号外 第117号)にて
 雇用保険法等の一部を改正する法律が公布され、令和7年4月1日より施行されます。
 ただし、施行に関しては各種例外規定が多数定められています。

■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
・雇用保険法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
 官報 令和6年5月17日(号外 第117号)にて
 雇用保険法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令が交付され、同日施行されています。

 雇用保険法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う厚生労働省関係省令の整理に関する省令も同様。


現在国会では、「出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案」「出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案」が審議に入ろうとしています。


以前から話題になっているとおり、この改正案には「育成就労」という新しい在留資格の創設、「永住者の在留資格をもつて在留する外国人の在留資格の取り消し」が含まれています。


育成就労は、改正案に「第十九条の十六第一号中「技能実習」を「育成就労」に改める。」とあるとおり、新設というよりは技能実習の改定というかたちでの創設になります。(つまり、問題点を完全に排除しきれていない)


頑なに転職制限の規定を維持したのは、本当は無期雇用にしたいのに、現時点ではリンクしていない「在留期限」と「有期労働契約の契約期間制限」をリンクさせ、制限を可能にしたのでしょう。
<現時点ではリンクしていない「在留期限」と「有期労働契約の契約期間制限」>のところは、両方の制度を把握していないと??な部分かもしれないので例を示してご説明します。

まず、<現時点では「在留期限」は労働契約内容とは直接リンクしていない>という部分からご説明します。

一番わかりやすいのは、労働契約では「無期雇用」とされていても、在留期限は「1年」や「3年」しか出ないということが通常です。
当然といえば当然ですよね?
労働契約で「無期雇用」契約したら、それら外国人に「永住者」の在留資格が与えられるわけではありませんから。
ですから、労働契約の内容と、在留資格はリンクしていないというわけです。
もちろん、まったくリンクしていないわけではありません。
なぜなら、労働契約がなければ、労働者としての在留は許可されませんので。

次に、<リンクしていない「在留期限」と「有期労働契約の契約期間制限」をリンクさせ、制限を可能>の部分について説明します。


有期労働契約は、60歳以上などの一部の例外を除いて、最長3年までしか期間を定めて契約できません。(更新は可)
なぜなら、労働者を拘束する(奴隷的扱いになる)からです。


育成就労は、原則3年を上限にすることとなっています。
つまり、育成就労は有期労働契約だから、上限は労基法に合わせ3年という形で外枠を作ったようです。
そして、労基法では「有期労働契約の期間制限」となっていますが、(仮)育成就労法側では「転籍制限期間」としているわけです。


労基法にも合致しているなら問題ないのでは?と思われるかもしれないですよね。
労基法は「ほかの選択肢がある(<嫌なら>ほかの会社等を選べばよい)」からこそ、それでも有期雇用を選択したのだから自分の意思だよね?だから3年縛られても仕方ないよね?
という前提です。


でも、育成就労という制度として「ほかの選択肢がない」のに「転職制限」されるわけですから、やはり少し事情は違います。

もちろん、厳密にはほかの選択肢<日本以外で働く>はありますが、日本は外国人労働者に「来てほしい」のに「転職制限」を課すわけです。

何を問題視しているかわかりにくいかもしれないので、ここも例を書きます。
日本の「新卒一括採用」の状況に当てはめてみてください。
新卒者は生活するために就職が必須です。(これが、日本で「育成就労で在留するなら」にあたります)
でも、国が「新卒者は2年間転職禁止です」という制度を定めたらどう思います?
ふざけるな!となりますよね?

ですから、私はこの転職(転籍)制限期間には反対です。

会社も、採用するときには、ゼロから教えることは当然覚悟し、転職(退職)することもあるだろうという前提で採用しているはずです。
なのになぜ育成就労ではそれを前提にできないのか?

「業界全体」で人材不足であれば、建設業で今進めている「建設キャリアアップシステム」のように、個々人がどのレベルのスキルを持っているのか確認できるシステムを構築すればよいと思います。
そうすれば、育成就労外国人が転籍しても、この外国人はこのレベルのスキルを持っているから、次はこのレベルの技能を身に着けてもらうところから始めよう!と判断できるようになります。
「途中で転籍されては、技能の習得に支障が出る」などという、雇い主都合の言い訳が使えなくなります。

これは、個々の事業主の問題ではないはずですから、「業界全体」で対応すべきことです。
「建設キャリアアップシステム」は、個々人のスキルと見える化し、個々人の技能レベルに合わせた給与水準を維持し(公表し)、建設業全体で技能者を増やすための仕組みです。
これを育成就労と特定技能で導入すれば、転籍は自由、特定技能への移行、特定技能の1号から2号への移行(審査)もスムーズになります。(入管の審査が容易になります)

これが実現すれば、外国人技能労働者の労働条件、給与水準、在留資格(入管の審査)の効率化に繋がります。

施行まではまだ時間があります。
せっかくの新制度ですから、ぜひ国内外から批判を浴びないような制度運用をして欲しいと思います。