障害年金申請で気を付けたいポイント

障害年金裁定・額改定請求に必要となる確認事項について、初めての方にも取り組みやすいよう手順を整理しました。 手続きの種類ごとの違いを理解し、漏れなく準備を進めましょう。

1. 手続きの種類と提出先、認定基準を把握する

最初に「どんな手続きなのか」を確認すると、必要な書類と提出先がスムーズに分かります。

手続きの目的

裁定請求(初めての申請)、額改定請求(受給後の増額申請)、障害状態確認届(定期提出)のどれかを明確にしましょう。

額改定請求書(様式210)は、障害の程度が重くなったときに使用します。

使用する申請書

  • 障害基礎年金:様式107号
  • 障害厚生年金:様式104号(国民年金の請求でも共通)

記入例を見ながら、抜け漏れがないか下書きすると安心です。(最新の様式を確認して使用しましょう。)

提出先

初診日に厚生年金に加入していた場合は年金事務所へ、国民年金(または20歳前)の場合は市区町村役場へ提出します。

提出先が分からないときは、基礎年金番号とともに相談窓口へ確認しましょう。

提出期限

裁定請求・事後重症請求は65歳の誕生日の前々日までに申請が必要です。額改定請求も原則同じ期限です。

年金は、請求をしなければ支給されません。また、月末までに申請をするか、翌月に申請をするかで支給開始月が変わります。速やかな準備と申請が重要となります。

※過去に2級以上の受給権があった方は、65歳を過ぎても額改定を申し込める場合があります。

審査請求・再審査請求

年金支給決定:決定された障害等級が自分の認識と違う場合、不服申立てが可能です。

不支給決定又は却下:不支給に対する不服申立てが可能です。

提出期限内に決定結果への不服があるときは、理由を整理し、申立ての可否を検討します。

国民年金・厚生年金保険 障害認定基準

自分の症状が障害認定基準に該当しているのかを把握することも大事です。幾ら生活に支障が生じているとしても、認定基準に該当していなければ、障害年金の申請をしても認められることはありません。

こちらの「【令和4年4月1日改正版】国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」で確認してみましょう。

*障害認定基準は、医学用語等を用いているため、医療従事者や障害年金を対応する社会保険労務士に相談して把握することをお勧めします。

*令和4年4月1日から、障害認定基準の第3第1章の「第7節 肢体の障害(参考)肢体の障害関係の測定方法」が一部改正されました。
*令和4年1月1日から、障害認定基準の第3第1章の「第1節 眼の障害」が一部改正されました。「令和4年1月1日の障害認定基準改正」を確認ください。

2. 初診日と納付状況を整理する

初診日は審査で最も重視される項目です。証明書類と保険料の納付状況を整理しておきましょう。

初診日を特定する

障害の原因となった病気やけがで初めて医師の診察を受けた日を特定します。同じ傷病で転院していても「最初に診療を受けた日」が初診日です。

最初に内科を受診した後、専門科を紹介されている場合、最初の(内科の)受診日が初診日となる場合がありますので、受診歴は正確に把握することが大事です。

*マイナ保険証を使うと、マイナポータルで受診歴が確認できます。

医証が用意できないとき

  • 診察券や入院記録など、客観的な資料を組み合わせる。
  • 初診当時を知る医療従事者の証明をもらう。
  • 20歳前の初診なら、第三者証明のみで認められる場合があります。
  • 緊急治療が必要と分かる健診結果が残っていれば、健診日を初診日として申立て可能です。

第三者証明の注意点

民法上の三親等以内の親族以外に依頼します。複数そろわなくても、内容が具体的で信頼できれば1通でも認められることがあります。

*例えば、通院していた医療機関の医療従事者(看護師等)の場合は、1通の第三者証明書で認められる場合があります。

納付要件を確認

  • 原則:初診日の前日における加入期間のうち、納付済期間と免除期間の合計が3分の2以上かを確認します。
  • 特例:初診日が65歳未満で、直前1年間に未納がなければ要件を満たす場合があります。

免除申請の記録は年金記録で確認できます。疑問があれば年金事務所へ照会しましょう。

3. 診断書の準備とチェック

診断書は審査の中心となる書類です。現症日の期限と記載内容をしっかり確認しましょう。

1. 依頼時期を決める 提出予定日の3か月前以内に作成された診断書が必要です。受診の予約状況を確認し、余裕を持って依頼します。
2. 記載項目を確認する 肢体の診断書は可動域や筋力の値、精神の診断書は就労状況や援助の有無など、抜け漏れがないか見直します。
3. 実生活を伝える 日常生活で支援が必要な場面や、就労にあたって受けている配慮をメモにして医師に共有すると、実情に近い記載につながります。(可能なら、普段過ごしている部屋の状況を写真等で見せて日常を把握してもらいます。)
  • 独居でも支援を受けている場合は、その内容を診断書や申立書で具体的に伝えると、適切な等級判断につながります。
  • 4. 日常生活・就労状況の書き方

    「日常生活及び就労に関する状況」などの書式は、生活のリアルな様子を伝える大切な資料です。

    記入者

    本人、または本人の日常生活をよく把握している支援者が記入します。第三者が書く場合は、本人との関係を明確にしましょう。

    生活環境

    同居か単身かに加え、単身になった理由や時期、日常的に受けている援助を具体的に記入します。

    就労状況

    • 勤務(訓練)時間は直近1か月の平均を記載。
    • 日数と給与は直近3か月の平均を用います。
    • 就労継続支援や障害者雇用など、支援を受けている場合はその内容を詳しく書きます。

    仕事の内容と援助

    専ら単純・反復的な業務に限定されているか、常時指導が必要かなど、配慮・支援の内容と頻度を書きましょう。等級判断の大きな手がかりになります。

    5. 申請のタイミングと準備

    スケジュールを決めておくと、資料集めや記入作業がスムーズになります。

    1. 診断書を依頼:申請内容毎に求められる適切な時期に受診し、作成を依頼します。
    2. 初診日資料を収集:医証、第三者証明、年金記録などをそろえます。
    3. 書類作成:申請書や申立書・診断書・添付資料を順番に整え、コピーを手元に残します。
    4. 提出と控えの保管:提出先で控えを受け取り、問い合わせ先とともに保管します。
    5. 額改定請求を検討:等級決定日から1年が経過した後に症状が悪化した場合、主治医と相談して額改定を検討します。切断や人工関節再置換など著しい変化があれば、1年未満でも請求できることがあります。

    状況が変わったときに備え、提出した(する)書類のコピーと受領印のある控えは大切に保管しましょう。

  • 65歳以降の額改定請求は原則できませんが、過去に2級以上の受給権があった方など例外もあります(厚生年金保険法第52条第7項)。迷ったときは早めにご相談ください。
  • 請求書を提出してから審査が終わるまでは概ね3か月とされていますが、状況により異なることがあります。
  • チェックリストをもとに伴走サポートします

    とくに初診日の確認と診断書の準備でお困りの方は、原則と例外のまとめページと合わせてご覧ください。準備段階から提出後のフォローまで、お気軽にお声がけください。