減らない総合労働相談

まずは気になる情報から

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・令和5年度個別労働紛争解決制度の施行状況
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 厚生労働省ホームページより
 令和5年度個別労働紛争解決制度の施行状況
 として報道発表されています。

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_00165.html

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・映像通報システム(Live119)
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 千葉市ホームページより
 映像通報システム(Live119)に関して、情報が更新されています。

https://www.city.chiba.jp/shobo/keibo/shirei/live119.html

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・盛土規制法に基づく規制区域(案)に関する意見募集について
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 千葉県ホームページより
 盛土規制法に基づく規制区域(案)に関するパブリックコメントが実施されています。
 実施期間
 2024年7月8日から同8月8日

https://www.pref.chiba.lg.jp/tokei/iken/2024/kiseikuiki.html

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・いじめの重大事態の調査に関するガイドラインの改訂案に関する意見募集について
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 いじめの重大事態の調査に関するガイドラインの改訂案に関するパブリックコメントが実施されています。
 実施期間
 2024年7月12日から同8月2日

https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185001379&Mode=0

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・特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令の規定に基づく告示案について
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 特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令の規定に基づき下記分野の告示について、パブリックコメントが実施されています。
 実施期間
 2024年7月12日から同8月16日

 林業分野
 https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=550003970&Mode=0

 木材産業分野
 https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=550003969&Mode=0

 鉄道分野
 https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=155240821&Mode=0

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・出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表の特定技能の項の下欄に規定する産業上の分野等を定める省令の一部を改正する省令案等に係る意見募集について
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 出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表の特定技能の項の下欄に規定する産業上の分野等を定める省令の一部を改正する省令案等に係るパブリックコメントが実施されています。
 実施期間
 2024年7月12日から同8月16日

https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=315000093&Mode=0

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・年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する省令案に係る意見募集について
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 年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する省令案に係るパブリックコメントが実施されています。
 実施期間
 2024年7月8日から同8月6日

https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495240093&Mode=0


厚生労働省より、令和5年度個別労働紛争解決制度の施行状況が公表されました。
総合労働相談件数は121万400件で、4年連続で120万件を超え高止まりしている状況のようです。
総合労働相談において最も多い相談内容は「法制度の問い合わせ」ですので、121万件の全てが労働「問題」に直接関係するものではありませんが、法制度の問い合わせの多くは、「会社のこのような運用は法的に正しいのか?」というものだと想像できます。


なぜそのように想像できるか?
労働基準法では、10名未満の従業員を雇っている事業場では就業規則を定め、届け出る必要が無いと定められているため、雇用(労働)契約書や労働条件通知書に記載の無い自分の労働条件が明確になっておらず、会社の運用が法的に正しいのかわからない環境にあるため、労働者が「自分はこういう労働条件や環境で働いているが法的に問題ないのか?」と疑問を持つということになります。
雇用(労働)契約書や労働条件通知書には、「最低限」の事しか定められていないわけですから、それ以外のことが「分からない」のは当然ですよね。


分からない場合の人の行動は「興味を持たない」「どうしてよいかわからない」「確認したい」に分かれると思います。
そして、確認したいという人が問い合わせを行うわけです。
ですから、潜在的には「興味を持たない」「どうしてよいかわからない」という人も、よくわからずに労働している可能性があるということです。

ではどうすればよいか?
一つの方法は「10名未満の従業員を雇っている事業場では就業規則を定め、届け出る必要が無い」という法を改めればよいと思います。
労働者を1人でも雇う場合は就業規則の制定を罰則付きで義務化し(家族・親族の<みの>場合は除く)、10名未満の従業員を雇っている事業場は「届け出は任意」、10名以上の場合は届け出は義務とすればよいでしょう。


届け出不要なら使用者は守らない!と思うかもしれませんが、労働者が通報すれば罰則が適用される形にできますので、制定の方向には誘導できます。
適当に厚労省のサンプルをそのまま使う使用者が出る!という声もあるでしょうけど、それはそれでよいと思います。
なぜなら、厚労省のサンプルは法令の最低限は満たしており、仮に法令に満たない労働条件で労働契約を結んでいる場合であれば、就業規則を根拠により有利な労働条件が自動適用され、仮に未払いの時間外労働があれば、請求しやすくなります。

「法制度の問い合わせ」が多いということは、「満足していない労働環境」で働いている労働者が多いことを意味します。
未だに日本は、低賃金で労働力を搾取する古い習慣から抜け出し切れていないのでしょう。
高待遇であれば、よい成果物を得られる。
だからこそ大企業はより成長できます。

「高待遇」に見合った成果を出せなければ解雇できるという仕組みの導入も必要でしょう。(低待遇では認めるべきではありませんが)
雇ったけど仕事できないのに(成果出さないのに)解雇できないから、とりあえず雇用し続けなければいけなく、そのリスクのために賃金を上げられないという使用者もいるでしょう。
(しっかり労働契約の内容を定めれればどうにかなりますが)

減らない総合労働相談は、労働環境や労働条件問題が潜在的に多い環境にあることを意味しています。
ぜひ、根本的な解決に舵を切ってほしいものです。

相談を受けても(相談を受けるだけでは)、制度的に根本解決しないと、相談が減ることはありませんからね。